いまグローバル人材やイノベーション人材の育成が一企業だけでなく、国の課題になっているなか、Thinker過多の社会は好ましくない。シリコンバレーを代表するIT(情報技術)企業の1社、アドビシステムズの調査によれば、日本は「世界でもっとも創造的(クリエーティブ)な国」に認定もされているが、その創造性が製品やサービスとして世界に認知され、消費され、付加価値を生んでいる実感は正直ない。 これはまさに、Doer不在の弊害だ。つまり、せっかく世界的に評価される技術や人材が存在しても、それに付加価値をつけて、世界で活躍するのがアップルやグーグルをはじめとしたDoer思考の外国人ばかりであるとすれば、それは日本にとっては何とも「もったいない」話である。